お金・金運

15 もっと真剣に願ってよ 前編

2021年4月14日

ちょっと前の話です。
派遣を掛け持ちで働く青年が久々の日曜休みで遅く起きました。
食材が何もないので散歩がてらスーパーへ歩いていると小学校が賑わっています。バザーをやっていました。

中に入ると、皿、オモチャ、漫画、幼児用の服など雑多なものが並べてあります。
格安ですが、とくに欲しいものはありません。

一番奥にガラクタが積まれているように見えました。
壺、掛け軸、柱時計、鮭を咥える木彫りの熊、ちゃぶ台、文机、提灯……、そこだけ昭和からタイムスリップしてきたようです。

視界の端に見慣れないものが映りました。
小さな障子を張り合わせて四角にしたものから四本足が出て、台の上に乗っています。
何だろうと思って、色んな角度から見ていたら、年配の女性がニコニコして立っていました。
「お兄さん、珍しいわね。若いのに行灯に興味あるなんて」
「あんどん?」
「下に油皿やロウソクを置いて火を灯すとランプになるの」
「へ~」
「若い人は時代劇を見ないから知らないかしら」。
青年は苦笑いして「はぁ」と中途半端な返事をしました。

女性が黙ったので、青年は間が持たなくなって、つい幾らですかと聞いてしまいました。
「本当は二千円なんだけど、お兄さん感じがいいから千円でいいわ」
「う~ん」
「じゃ、五百円」
「買った」。
二人とも笑顔になりました。

青年は食材の買い物を忘れて、自分のアパートに帰りました。
部屋で行灯を眺めていると細部まで作り込まれて、匠の技を感じます。
木のツヤもあり、撫でたくなりました。

実際に撫でてみると煙が出て、中から日本髪をゆったお婆さんが現れました。
「あんだよ、せっかく寝てたのに」とお婆さんは言って、青年を二度見します。「あ、撫でたの?」。
青年は口をパクパクさせます。

「願いを三つ叶えやしょう~」とお婆さんが言いました。
青年は我に返ります。「お、お金持ちにしてださい」
「あんだって?」
「お金持ちに、して、ください」と青年は大声で言いました。
「何両、欲しいんだい?」
「いや、両じゃなくて円」
「なんだい、それ? オナゴとのご縁かい?」
「それも欲しいけど、まずは今のお金」。青年は何とか説明しようとしますが、うまくいきません。
お婆さんは紙幣など理解しようともしません。

そのうち青年は気付いて、叫びます。「大判、小判だ」
「なんだ。金ピカのがいいのかい?」
「お願いします」。青年は固唾を呑んで待ちます。

(つづく)
後編はコチラ

 



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