その他

17 健康になれますか?

森の中心にフクロウのお婆さんが住んでいました。ときどき動物たちが相談に来ます。

おや、痩せたメスのキツネが来たようです。「フクロウさん、こんにちは」
「ずいぶん顔色が悪いね。大丈夫かい?」
「実は病気だと思うんです。引き寄せの法則で治せませんか?」
「まず病院に行きな。以上」

「そんな……」
「当たり前だろ。初心者が変に期待して手遅れになったら、どうするの。その代わり、治ったらまたおいで。予防や健康について、ゆっくり話そう」。
キツネは渋々帰りました。

 

不健康そうなメスのシカがやってきました。「フクロウさん、こんにちは」
「こりゃまた、ごっつい顔色が悪いの来たね」
「はぁ~」と言ってシカは俯きます。「病気がちで、あっちが治れば、こっちという感じで」
「病院は行ったのかい?」
「行ってるけど、やっぱり病は気からって言うじゃないですか。何か原因があるかなぁって」

「病気でいるメリットってあるかい?」
「え~、ないですよ~」
「周りが優しくなるとか」
「まあ、多少は」

「逆に完全に健康になったら不都合なことは?」。
シカが溜め息をつきます。「群れの新しいボスの雄シカを受け入れないといけないんです。しつこく求愛されるのも嫌で」
「群れを出たら? 一発で治るかもよ。生きてくために病気なんかしてらんないし」
「そうかもしれないけど……」
「そこら辺かもね、病は気から」
「え~、群れを出るのぉ。……でも考えなきゃかなぁ」。
シカは少し元気になって帰りました。

 

痩せたオスのクマが来ました。「フクロウさん、こんにちは」
「こりゃまた、えらい不健康そうだね」
「ガンにかかるんじゃないかと心配で」
「医者には行ったのかい?」
「行きました。どこも異常ないって」

「ふむ。医者は大丈夫って言ってるのに、なんで疑うんだい?」
「普段は大丈夫なんですけど、一度ガンという単語を街やネットで見ちゃうと、ずっと気になって、どんどん遭遇しちゃうんです。前触れじゃないかと思って」
「大丈夫だよ、って言っても信じないか。話変わるけど、黄色い車を街で見かけるかい?」
「いや、めったに見ないですね」
「じゃ、今から黄色い車のことを考えるようにして、一週間後に何台見たか教えて」。
クマは渋々帰って、一週間後に戻ってきました。

「黄色い車、毎日見ました。多い日は三台も」。クマは苦笑します。
「これで分かったろ。そういうもんだって」
「はい。でも」
「ガンの心配は消えないんだろ。ところで無茶な生活してない? 偏食とか深酒、暴飲暴食、ストレス、睡眠不足」
「大丈夫です」
「許せない人いる?」
「多少は……」
「今すぐ許しなさい。手放しなさい。さもないと自分で自分の体を攻撃することになるよ」
「う……。分かりました」

「定期的に医者に診てもらうこと。それでもまた不安になったら、おまじないを何度でも唱えなさい。
『私の内なる無限の知性は体の隅々まで見守ってくれているので安心です。調和して健康です。ありがとうございます』って。
そして明るい健康的なエネルギーが体中に行き渡るのをイメージする。寝る前は必ずやるんだよ」。
クマは表情が少し明るくなって帰っていきました。

一ヵ月後、クマはふっくら健康そうになってお礼にきたので、お茶の時間にしました。

(おしまい)

 



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