人間関係

18 毒親 捨ててもいいんですか

2021年4月18日

森の中心にフクロウのお婆さんが住んでいました。ときどき動物たちが相談に来ます。

おや、太めのメスの牛が来たようです。「あの、婚活が上手くいかなくて」と牛が言いました。「ネットで調べたら、デブでブスでババアで低収入は身の程を知れとか、さんざん書かれてて」
「見なきゃいいじゃないか」
「高望みしなくても、全然上手くいかないんです」
「あのね、アタシャ結婚相談所の仲人じゃないんだよ。プロに聞きなよ」

「何か違うんです。相手の条件とかじゃなくて。うまく言えないけど」
「心が整理できてない? 結婚に抵抗や偏見がある?」
「それもですが、この彼は母が気に入るかなって、つい考えてしまって」
「は?」
「いや、だから」

「お前さん、いい歳じゃないか。なんで親を気にするの?」
「母が認めてくれないと結婚できないかなって」
「母親とお前さんの好みが全く同じってありえないだろ」
「ですよねぇ」と言って牛は俯きます。「昔から、そうなんです。友達は選べとか、あの子は成績悪いから仲良くするなとか。彼氏ができるようになってもそうです。日記やスマホを勝手に見られたり。二言目には、私のためって」
「じゃ、連絡しなきゃいいじゃないか」
「うち、同居なんで」。
フクロウは立ちくらみします。「このままだと母親が死ぬまで結婚できないよ。いや、死んでも洗脳は解けないから一生結婚できないよ」
「はぁ……」

「ところでお前さん、自分のことは好き?」
「いえ、好きじゃない、というか嫌いです」
「小さい頃からダメ出しされてきた?」。
牛はコクリと頷きます。
「自分に自信は?」とフクロウが聞きます。
牛は首を左右に振ります。

「自己否定で完全に洗脳されてるじゃないか。毒親だねぇ」
「でも、育ててくれた恩が」
「まともな親は子供を信用して任せるんだよ。自分の価値観を押し付けるのは、親が子供のままなの。で、いつ家を出るの?」
「え?」
「本気で幸せになるなら一人暮らししかないよ」
「でも母が」
「このまま同居しても、絶対に母親から合格点は貰えないよ。死ぬまでダメ出しされる」。

牛は頭を抱えます。はなをすする音がしました。「怖いんです。家を出たら絶対に母から罵られるって。親不孝とか、恩知らずとか」
「連絡を断つことだね。言っとくけど親は変えられないよ。お前さんが変わるしかないんだ」
「捨てていいんですか、親を」。牛は涙ぐんで鼻声です。

「お前さんには幸せになる義務がある。親から離れて自分を好きになるトレーニングをしたら幸せになれるから。そうしたら恋人もできるし、結婚もできる。その頃には孫の顔見たさで母親も軟化……しないかな。でもこのまま同居してたら結婚も孫も厳しいよ」。
牛は黙って頷きました。
「親と別居して心身ともに解放された自分を想像してみなさい」とフクロウが言いました。「そして毎晩寝る前に結婚して子供を抱いて微笑んでいるのをイメージする。必ずその日が来ると信じて、幸せな気分に浸って眠りなさい」
牛は頷き、お礼を言って帰っていきました。

(おしまい)

 



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