人間関係

29 許します、赦します、手放します

2021年4月29日

飛ぶのが下手なオスのトンビがいました。
先輩などに聞いてまわり教えてもらいますが、上手になりません。
体格もいいし若くて体力もあるのですが、速く、高く飛ぼうとすると違和感を覚えて失速します。
飛ぶことにトラウマや恐怖がある訳でもなく、理由が分からないのです。
このままではメスにモテないので真剣に悩んでいました。

あるとき噂を聞いて、神の領域を飛んだことがある老人のトンビに会いにいきました。
ご老人は悩みを聞くと穏やかに頷き「限界を決めているのは自分じゃ」と言いました。
「そうかも知れないですが、どこから直したらいいか分からないのです」

「もう既にあると知りなさい。並行して走っている隣の次元に存在しているのじゃ」。
若いトンビは首をかしげます。「分かりません。どうしたらいいですか?」
「信じなさい。お主が望んだのなら、それを達成した姿は既に存在しておる」とご老人が言いました。「ただし、トレーニングを始める前に背負っているものを下ろしなさい」。
若いトンビは振り向きます。「いや、何もないですよ」
「重い過去を捨てるのじゃ。失敗、後悔、悲しみ、屈辱、怒り、憎しみ」。
若いトンビはどんよりした表情になります。

「許せない奴はおるかの? 未だに嫌いな奴は?」
「います。でも誰だっているんじゃないですか」
「速く、高く飛ぶことを望んだお主には必要ない。むしろ邪魔なだけだ。許しなさい。そして手放しなさない」
「許すことと飛ぶことに何の関係が?」
「嫌な奴のことを考えるときの筋肉はどうじゃ、弛緩か緊張か」
「……たぶん、こわばってると思います」
「その状態で飛んだらどうなる」
「そっか……」。

ご老人は微笑みます。「これから毎日、嫌な者のことを思い出したら、これを言いなさい。『許します、赦します、手放します。貴方の幸せを祈ります』と何度も呟くのじゃ」
「う~ん、幸せまで祈らなきゃダメですか?」
「幸せを祈りたくない気持ちが残ってるうちは本当に手放したことにならない。執着している自分を許すことにもなるし、自分のためにもなる。祈ってあげなさい」。
若いトンビは半信半疑でしたがお礼を言って、その日は去りました。

一週間後に若いトンビはご老人を訪ねました。「まだ完全ではないですが、だいぶ気持ちが軽くなりました。そもそもなんで今まで大事に抱えてたんだろうって。何の得にもならないのに」
「それに気づいたら、上達はすぐじゃ」と言ってご老人はニッコリ微笑みました。

その後、若いトンビは本格的なトレーニングを始めて、あっという間に上達して、世界で一、二を争うほどの腕前になりました。

(おしまい)

 

 

※お知らせ:
寓話が30本になったら、1ヵ月ほどやり方を変えて、また寓話に戻るのを予定しています。前向きに試行錯誤中です♪

 

 



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