仕事

36 許せない、あっちが謝るべきだ #2

昔、大きな森の中心に開けた丘があって、そのなだらかな頂上には、歳とった妖精がいつも寝ていました。起きているときはニコニコしています。
森の動物たちは嫌なことや腹の立つことがあるとニコニコパワーをもらいに妖精のところへ相談に行きます。

おや、プンプンしたタヌキがやってきました。妖精が目を覚ますのを待って、話しかけます。
「妖精さん、聞いてください。職場の上司のことが許せないんです。しょっちゅうテキトーな指示をするし、部下の手柄は取るし、少しでもミスしたら辞めちまえとか、向いてないとか言うし、この前なんか……」。
タヌキは延々と説明します。上司がいかにリーダーの資質がないか、器が小さいか、セコイかとまくし立てました。
タヌキのムッとした表情が顔に出てたらしく、最近はさらに当たりがキツクなったそうです。

「で、どうしたいのじゃ?」
「理不尽に怒ったり、辞めろとか言うのを止めてほしいです。そしてセコイ性格を直して、普通の上司になってほしいです」
「無理じゃな。自分以外は変えられない」
「なんかいい方法ないですか?」
「愛と感謝じゃよ」
「え~」。タヌキはムッとした表情になります。
「愛と感謝の波動を出せば、それしか返ってこない」
「僕が愛と感謝の波動を出してなかったせいってことですか?」

「ところで聞くが、その上司に感謝できることは一つも無い?」
「……」
「頑固なプライドを捨てて、素直な気持ちで感謝してごらん。お主を取り巻く世界が氷解して、変わっていくから」。
タヌキは唸っています。「確かに感謝できることはあります。仕事を教えてくれたことや、上司のおかげで自分の実績になったこともあります」
「今から、お詫びと感謝しに行く?」
「えーーっ」
「こうなったのは、お主の頑なな性格のせいではない、悪いのは全て上司のせいだと断言できるかな?」
「う~ん」
「じゃ、少しはお主のせいもある?」
「う~ん、う~ん」。タヌキは脂汗を流し始めました。
「アハハハ。認めたくないんじゃろ。お主の頑固さは達人級じゃな」。
タヌキは苦笑します。

「お詫びと感謝しに行くなら、ワシもついていってあげようか?」
「いや、ちょっと」。タヌキが慌てます。
「次から上司と話すときは、心の中で『愛と感謝』と呟きなさい。そして『上司のおかげ』と念じるのじゃ。そうすれば凝り固まった世界が柔らかくなっていく。愛と感謝に満ちた世界に変わっていく様は楽しいぞ~」
「う~ん。口に出してお詫びや感謝はムリでも、心の中ならできるかも」
「なんたってタダだからな。それさえできんのなら、セコイのはお主のほうかもしれんぞ」。
タヌキは情けない顔で力なく笑いました。

(おしまい)

 

 



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