仕事

41 転職がうまくいきません(前編)

2021年6月18日

昔々、ある若いウサギが街外れの森の入口でぼんやりと座っていました。
棒を差した小さな布袋が横に置かれています。
ここは食い詰めたものが最後に訪れるということで有名な黒い森でした。
奉公先が嫌で飛び出し、転職を繰り返した挙げ句に食うにも困るようになり、生きるか死ぬかの瀬戸際になったのです。

怠け者ではないので働くのは構わないのです。
ただ暴力的で意地悪で、こすっからい上司の下では絶対に働きたくないと思って勤め先を変えると、今度は週に一度の休みも無いような職場でした。
体を壊しそうなので転職したら給料はそこそこなのですが、職場におしゃべりのイタチがいて、日がな一日ずーーっと悪口陰口、噂話をしていました。
あるとき、そのイタチの夫が原因不明の難病に侵されていると聞き、これ以上悪い波動を浴びたら自分も病気になると思って、そこを辞めました。

その次は同族経営でした。この時代、親族による経営は珍しくないのですが、親族とそれ以外という差別が露骨で、使用人たちは奴隷のように使われていました。
こき使われるのは慣れていましたが、仕事せずに遅刻早退して親族たちだけ会社の経費で飲み食いするのを見ているうちに、仕えるのがアホらしくなりました。

同じ我慢するなら稼げる職場がいいと思って、歩合制のところに勤めたら最初はよかったのですが、少し成績を上げると先輩や同僚たちの陰湿で執拗な意地悪が始まりました。
職場を変えても変えても、どこも似たような劣悪さで、もうどういう基準で仕事を選んだらいいか分からなくなっていました。

そもそも社会人に向いてないのではないかと思い始めて、働かないなら生きる資格ないかもと思いつめて、森の入口に来たのですが、死ぬ勇気もないし、こんなのはおかしい、何かが間違ってるという気がしていました。
進むにも戻るにも動けなくなって、座りこんでいたのです。

空をぼんやり眺めていると、どこからかタヌキのおじさんがやってきました。
「どうか食べ物をください。お腹がペコペコなんです」
「神様のお恵みがありますように」と言って、ウサギは小さな布袋に入っていた最後の食料の黒パンを譲ってあげました。
タヌキのおじさんは礼を言うと森の奥へと入っていきました。
ウサギはそれにつられるようにフラフラと森の中へ入りました。

しばらく行くとキツネの子供がやってきて
「寒くてたまらないんだ。どうか着るものをおくれよ」というので、ウサギはなけなしの胴着をあげました。
それから先にいくとアライグマの子供がやってきて「寒い、寒い」というので、ウサギはなけなしのズボンをあげました。

それからも物乞いは続き、ウサギはもはや裸で、持ち物もすっかりなくなってしまいました。
もう上げたくても何もない状態になって、次に誰か来たらどうしようと思っていたら、大きな切り株に小人のお爺さんが座っていました。
近づくとニコニコしています。
「お爺さん、こんにちは」
「どうした? 浮かない顔して」と小人が言いました。
これまでの経緯を話すと、小人は突然笑い出します。
「ワハハ、そりゃ、そうだろうよ」
ウサギはムッとするのを抑えて聞きます。「どうしてですか?」

               (つづく)
後編はコチラ

 

 



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