お金・金運

46 あなたはお金持ちにふさわしい?

2021年7月7日

昔々、漁師とその女房が海の近くのみすぼらしくて古い小屋に住んでいた。
漁師はある日、大きなカレイを釣った。

「ねぇ、漁師さん」とカレイが言った。「お願いだから放してください。僕は魔法をかけられた王子なんです。望みを叶えてあげますから」。
「望みを叶えられるんなら、まず自分の魔法を解きな」と漁師は笑いながら言った。「心配するな。しゃべるカレイなんざ食べたらバチが当たりそうだ」。
漁師が放してやると、カレイはヒラヒラと底へ潜り、見えなくなった。漁師は釣りを切り上げて家に帰った。

女房はその話を聞くと怒り出した。
「あたしゃ、このボロ家にはうんざりだよ。もう一度行って、そのカレイに立派な家を頼んで来なよ」。

漁師は仕方なく海に戻り、歌うように言った。「カレイよ、カレイ、聞いとくれ。女房が俺の言うこと承知せぬ」。
すぐにカレイが浮上してきた。「さて、奥さんは何が欲しいと?」
「立派な家が欲しいとよ」
「いいですが、漁師さんは自分を立派な家に住むのにふさわしい人間と思いますか」
「いや~、どうかな。考えてみたこともねえな」
「即答できない人はふさわしいと思ってないんですよ。でも特別にいいでしょう。帰ってみなさい。奥さんの願いは叶ってますよ」。

小屋のあった場所に漁師が帰ると、そこには立派な家が建っていた。
中に入ると女房が不機嫌そうに座っている。
「あたしゃ、家だけ立派なんてうんざりだよ。もう一度行って、そのカレイに金持ちにしてくれと頼んで来なよ」。

漁師は仕方なく海に戻ると、水面が灰色になっていた。
恐る恐る、歌うように言った。「カレイよ、カレイ、聞いとくれ。女房が俺の言うこと承知せぬ」。
すぐにカレイが浮上してきた。「さて、奥さんは何が欲しいと?」
「金持ちにして欲しいとよ」
「いいですが、漁師さんは自分がお金持ちにふさわしい人間と思いますか」
「いや~、どうかな。考えてみたこともねえな」

「じゃあ、聞き方を変えましょう。ある人から漁師さんは貧乏が似合ってる、貧乏人がふさわしいと言われたら、どうですか?」
「そりゃ、腹立つわな。実際に貧乏だったとしても」
「ですよね。人から言われたら怒るのに、自分で自分を貧乏にふさわしいと思ってる分には怒らない。それっておかしいですよね」
「まぁ、そうかな」
「漁師さん、今の経済状態が自分にふさわしいと思ってるから古い小屋暮らしだったんですよ」
「実際に稼ぎがないからなぁ」
「それ納得してるじゃないですか」
「そう言われても、いい稼ぎの口が見つからなくてよ」

「ココらで変えましょう。自分はお金持ちにふさわしいと思ってください。お金持ちになると決めてください。今すぐ」
「分かった」と言って漁師は考えこんだ後で顔を上げた。「よし、決めた。俺は金持ちになるぞ」
「帰ってみなさい。奥さんの願いは叶ってますよ」。

漁師が帰ると、立派な家の中に大きな金庫があって、中に金貨がたくさん入っていた。
今度こそ満足だろと思って漁師が見てみると、女房が不機嫌そうに座っている。
「あたしゃ、家やお金だけ立派なんてうんざりだよ。もう一度行って、そのカレイに王様にしてくれと頼んで来なよ」。

漁師は仕方なく海に戻ると、水面がどす黒くなっていた。
恐る恐る震えながら、歌うように言った。「カレイよ、カレイ、聞いとくれ。女房が俺の言うこと承知せぬ」。
すぐにカレイが浮上してきた。「さて、奥さんは何が欲しいと?」
「王様にして欲しいとよ」
「漁師さんは自分が王様にふさわしいと思いますか?」
「そりゃ、ムリだ。俺の親父も爺さまも漁師だった。女房の実家もそうだ」
「さっさとお帰り。奥さんは元の小屋にいますよ」。
漁師が帰ってみると立派な家は消え、元のみすぼらしくて古い小屋の前で、女房がしょんぼり座っていた。

(おしまい)

 

※グリム童話「19 漁師とその女房」の設定を一部借りています。

 

 



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